不動産を購入する時にかかる諸費用についてご説明します。不動産を購入する時には、土地や建物の代金の他に、下記の費用がかかります。その内訳や金額の目安を理解しておきましょう。なお、税率等については改正により記載内容が異なる場合があります。詳しくは最寄りの税務署にお尋ねください。
売買契約時の諸費用
印紙税
売買契約書に貼付する収入印紙です。売買価格に応じて印紙税が定められています。
- 軽減税率について
- 租税特別措置法の一部が改正(2013年3月30日)されたことにより、不動産売買契約書について印紙税の軽減措置が拡充、税率が引き下げられています。軽減措置の対象となる契約書は、不動産譲渡契約書(契約金額が10万円を超えるもの)、建設工事請負契約書(契約金額が100万円を超えるもの)で、2014年4月1日から2018年3月31日までの間に作成されるものになります。
契約金額 |
本則税率 |
軽減税率 |
1千万円を超え 5千万円以下 |
20,000円 |
10,000円 |
5千万円を超え1億円以下 |
60,000円 |
30,000円 |
1億円を超え 5億円以下 |
100,000円 |
60,000円 |
5億円を超え 10億円以下 |
200,000円 |
160,000円 |
10億円を超え 50億円以下 |
400,000円 |
320,000円 |
50億円を超えるもの |
600,000円 |
480,000円 |
手付金
手付金は売買代金に充当されるため、諸費用には含まれませんが、売買契約時に必ず授受される金員です。手付金の額は、売主と買主の合意によって決められます。通常は売買代金の10~20%程度で、最低で5%となります。
住宅ローンを借りるときに必要な諸費用
印紙税
ローン契約書(金銭消費貸借契約書)に貼付する収入印紙です。借入金額に応じて印紙税が定められています。
契約金額 |
印紙税 |
50万円を超え 100万円以下 |
1,000円 |
100万円を超え 500万円以下 |
2,000円 |
500万円を超え 1千万円以下 |
10,000円 |
1千万円を超え 5千万円以下 |
20,000円 |
5千万円を超え 1億円以下 |
60,000円 |
1億円を超え 5億円以下 |
100,000円 |
5億円を超え 10億円以下 |
200,000円 |
10億円を超え 50億円以下 |
400,000円 |
50億円を超えるもの |
600,000円 |
抵当権設定登記
抵当権の設定・登記に要する登録免許税です。債権額に対して税率0.4%(債権額×0.4%)の費用が必要です。2015年3月31日までは、軽減税率0.1%が適用されていました。
融資手数料
民間金融機関では保証会社に対する「事務手数料」とされている場合が多く、金融機関ごとに異なります。都市銀行では31,500円が一般的なようです。
ローン保証料
保証会社を利用するための費用です。万一、所得が減って返済できなくなった場合には、保証会社が、借入れした本人に代わって金融機関に残りの債務を全額返済します。 住宅ローンを借入れするためには、「所定の保証会社の保証を受けられること」が条件となっています。
通常、一括払い(保証料外枠方式)で、融資実行時に保証会社に支払います。金額は、借入金額と融資期間によって異なりますが、諸費用の中では大きな割合を占めることになります。 保証料内枠方式という方法もあります。融資時に一括して支払う必要のない方法ですが、融資利率(金利)が高くなります。
団体信用生命保険料
住宅ローンを組むと、ほどんどの場合、同時に生命保険に加入します。住宅ローンは高額のため、長期にわたっての返済になるのが通常なので、万が一の場合に備えるためです。 団体信用生命保険(通称「団信」)は、住宅ローンの返済途中で死亡、もしくは高度障害になった場合に、本人に代わって生命保険会社が住宅ローン残高を支払うというものです。
民間金融機関の多くは、団信の加入を住宅ローン融資の条件としています。この場合、保険料は銀行負担となり、保険料支払いは発生しません。 しかし、一部の民間金融機関と住宅金融支援機構のフラット35では、団体信用生命保険への加入が任意で、保険料負担が発生します。
その他の費用
住民票等の取得費用
契約から引き渡しまでの間に、「住民票」 「印鑑登録証明書」「課税証明書」 などを取得する必要があり、それに要する費用です。
リフォーム費用
リフォームが必要な場合に発生する費用です。
引越しの費用
引越しのための費用です。引越し業者への支払いの他に、カーテン、電化製品、家具などの費用も必要です。 新築住宅を購入した場合、網戸や照明器具、テレビアンテナなどは、オプションとなっている場合が多いため、あらかじめ確認しておく必要があります。
振込手数料
残代金振込みなどにかかる、銀行振込手数料です。
火災保険料・地震保険料
建物にかける火災保険、地震保険です。この他に、家財道具にかける家財保険などがあります。